column コラム
旗ポールの特徴と種類について
学校、会社、公共施設やスポーツ施設など、様々な場所で旗を掲げるために使われる旗ポール。
旗竿やフラッグポールとも呼ばれる旗ポールですが、一口に言っても、用途によって様々な種類があるのをご存知でしょうか。
写真館を営み建築写真を生業としていた創業者が、「風にきれいにたなびく旗を撮りたい」という想いから旗が巻きつかない構造の「ハンドル型(ストレートポール)」を考案し、1970年にサンポールを設立しました。サンポールは、旗ポールの専業メーカーとしてこれまでに数多くの製品を開発し、現在も豊富なラインナップを取り揃えています。
本コラムでは、サンポールが製造する旗ポールの特徴と全品種の紹介をしていきます。
目次
旗ポールの特徴
まず初めに、サンポール製旗ポールに共通の特徴を解説します。
強くて美しいアルミ製
ポール本体は全て耐候性や強度に優れるアルミ合金製です。表面はヘアライン加工を行った後アルマイト処理とクリア電着塗装を施すことで、より耐久性を高めています。
美観にもこだわりがあり、アルマイト処理の際にわずかにグレーの発色をさせることでシャープに見せています。
輸送に適した分割式
高さ5mを超える旗ポールについては、輸送の観点からポール本体を分割して出荷し、現地で組み立てて建柱します。(図は2本分割の場合)
シルエットへのこだわり ~エンタシステーパー~
ポールの形状は、テーパーポールとストレートポールの2種類あります。
テーパーポールは、ポールの下端から上端に向けてテーパーをつけた(径を先細りにする)形状のことです。サンポール製旗ポールの大部分がテーパーポールです。
ストレートポールは、ポールの下端から上端まで径が一定の形状のことです。水平型シリーズ、ミニフラッガー、コミュニティポールがこれに当たります。
ちなみに、テーパーには「エンタシステーパー」と「コニカルテーパー」があり、弊社では前者を採用しています。円錐を意味し直線的なコニカルテーパーに対し、エンタシステーパーは胴張りを意味し緩やかなふくらみが特徴です。別名ベネチアンテーパーとも呼ばれます。旗ポールの材料となるアルミパイプは、外径を叩きながら絞っていくスウェージング加工によってエンタシステーパーに作られます。
真っすぐな列柱は真ん中が凹んで見えることに気がついた古代ギリシャ人が、その錯覚を改善する形状として発明したのがエンタシステーパーです。エンタシスの発明は黄金比の発見と並ぶギリシャ建築美の双璧と言われ、古くはパルテノン神殿の列柱に使われました。
柔らかな美しさと重厚さを備えたエンタシステーパーの旗ポールは、建築物の美しさをより一層引き立てます。
続いて、全品種の特徴を1つずつ紹介します。
ロープ型シリーズ
ロープを使って旗を昇降するオーソドックスな旗ポール。構造がシンプルで価格も手頃です。
200kgの重量に耐えられる8mmのポリエステル繊維(テトロン)を使用したロープは、耐候性・耐磨耗性に優れています。さらに金剛打ちという編み方の採用により、良好な手触りも実現しました。
国旗掲揚はロープを使って行うのが正式な方法ですので、特に格式を重んじる場ではロープ式の旗ポールが使われます。
ロープ型(地上用)
地上設置に限定された標準のロープ型旗ポール。※年間を通して強い風が吹く場所(海沿い、山頂、沖縄・離島など)ではロープ型特別仕様を使用。
旗ポール全品種の中で一番出荷数が多いです。
学校で国旗・校旗の掲揚に使う旗ポールにはこちらの製品が主に使われています。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:ロープ型」をご覧ください。
ロープ型高層用・特別仕様
設置高地上15m以上35m未満までの使用を条件として設計したロープ型旗ポール。見た目はロープ型と同じですが、地上用に比べてより強度を求められるため、パイプの直径や肉厚などを大きくしています。
ビルの屋上、競技場の観客席、野球場のスコアボードなどでよく使われます。
特別仕様は、年間を通して強い風が吹く場所(海沿い、山頂、沖縄・離島など)で地上設置に限り使える他、シーズンに限り鯉のぼりを取り付けることもできます。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:ロープ型高層用・特別仕様」をご覧ください。
ロープ型高層用避雷針兼用
旗ポールと避雷針を兼用した製品です。ポール先端に避雷針(JIS中型突針)、ポール下部にアースが付属しており、落雷から建物を守ります。
ロープ型高層用と同様に、設置高地上15m以上35m未満までの使用を条件として設計しています。地上用に比べてより強度を求められるため、パイプの直径や肉厚などを大きくしています。
ビルの屋上や野球場のスコアボードなどでよく使われます。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:ロープ型高層用避雷針兼用」をご覧ください。
ハンドル型シリーズ(ロープ内蔵)
ポール内部に内蔵したロープをハンドルで巻き取って旗を昇降する旗ポール。旗がポールに巻きつくのを防ぐため、先端部分(冠頭部)が風向きに応じて360度回転する仕組みになっています。
ハンドル型テーパーポール
エンタシステーパーの本体ポールと、巻き上げ部がフラットですっきりとしたシルエットが特徴のハンドル型旗ポール。
パイプに内蔵したドラムユニットでポール内の高強度ロープを巻き取ることで旗を昇降します。フリーリングがパイプに当たる時の音を防ぐ工夫を採用するなど、長年培ったサンポールのオリジナル技術が豊富に盛り込まれた製品です。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:ハンドル型テーパーポール」をご覧ください。
ハンドル型テーパーポール特別仕様
見た目はハンドル型テーパーポールと同じですが、年間を通して強い風が吹く場所(海沿い、山頂、沖縄・離島など)での地上設置を前提とした設計のため、パイプの肉厚を厚くして強度を増しています。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:ハンドル型テーパーポール特別仕様」をご覧ください。
のぼりポール
神社・寺院でよく見られる、日本伝統の旗「のぼり(幟)」を掲げるための専用旗ポール。
本体ポールを倒さなくてもロープを使ってのぼりの交換ができます。また、のぼり旗は風向きに応じて回転する仕組みになっています。
奉納銘板や頭部飾り、石柱への取付など様々なオプションがあり、お客様の要望に応じた幅広い提案ができる製品です。
主に神社では、祭事の度に多人数で竹や丸太製の旗竿を建柱・取外し作業をするのが通例です。しかし、簡易な設置のために強風で倒れる懸念や、作業を行う若者の減少に伴い、従来の方法が難しくなってきています。のぼりの取付け・取外しが簡単で強風にも耐えるサンポールの常設のぼりポールを使えば、それらの問題を全て解消することができます。
こうした背景から、神社・寺院で使われることが多いですが、美術館・博物館や和風の建物でも採用されています。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:のぼりポール」をご覧ください。
バナーシリーズ
デザイン性を重視したバナー(垂れ幕)を揚げる際に効果的な旗ポール。
操作性・視認性に優れ、商業空間をはじめとする多くの人が集まる場所でのプロモーションに最適です。
住宅展示場、カーディーラー、ショッピングモール、博物館、イベント会場などでよく使われます。
バナーポールBPNタイプ
上下をしっかり固定することで、バナーを美しく見せることができるバナーポール。
表のみの1面取付、裏表の両面取付の2種類あります。
特に住宅展示場で使われることが多い製品です。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:バナーポールBPNタイプ」をご覧ください。
バナーポールBPBタイプ
バナーを横に2面取付けることができ、訴求力の高いバナーポール。
特にイベント会場で使われることが多い製品です。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:バナーポールBPBタイプ」をご覧ください。
水平型シリーズ
壁面や天井・バルコニーなどから水平に張り出し、旗を掲げる旗ポール。
欧米の都市空間でよく見られます。
水平型
建物の意匠のアクセントとして使える水平型旗ポール。
商業施設屋内のバナー広告にも使われます。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:水平型」をご覧ください。
水平型アウトリガー式
外構スペースのとれない建築空間に適した水平型旗ポール。壁面に対して45度角のタイプです。
高所に取り付けた場合でも、窓などからロープを使って旗の交換ができます。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:水平型アウトリガー式」をご覧ください。
水平型直角アウトリガー式
壁面に対して直角の水平型旗ポール。
高所に取り付けた場合でも、窓などからロープを使って旗の交換ができます。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:水平型アウトリガー式」をご覧ください。
柱取付水平型ポール
既設の支柱(照明柱など)にバナーを取り付けるための後施工用バナーポール。
商業施設外構や商店街など、街路でのイベントプロモーションに適しています。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:柱取付水平型ポール」をご覧ください。
ミニフラッガー(ポータブルフラッグポール)
コンパクトで軽量な国旗セット。
ポールは取り外しや角度の変更ができるため、使用状況に合わせた使い方が可能です。
戸建てに設置して祝祭日に国旗を掲げる使い方はもちろん、店舗や外国料理のレストランなどでも採用されています。
価格や図面等の詳細については、製品詳細ページ「旗ポール:ミニフラッガー」をご覧ください。
コミュニティポール
キャンペーン告知などに最適な懸垂幕の広告塔。
どの方向からでも視認できるように、懸垂幕は1~3面まで取付けることができます。懸垂幕の昇降方法によって、ロープ式とウィンチ式があります。建築基準法に準拠した構造計算をクリアした建築構造物です。
市庁舎や消防署でよく使われます。
価格や図面等の詳細については、電子カタログ「旗ポール:コミュニティポール」をご覧ください。
特注品
これまで紹介した旗ポール以外にも様々な特注品を製造しています。
仮設用旗ポール
基礎工事不要、組立・解体が簡単で繰り返し使用できる仮設用旗ポール。
基本的に、旗ポールはコンクリート基礎施工によって常設で使うことが一般的ですが、仮設でも安心して使用できる金属基礎を独自開発しました。金属基礎はコンクリート基礎と同等の強度を持ちながらも、部品1点ずつの重量は人が持てる範囲のため簡単に施工ができます。
詳細については、電子カタログ「旗ポール:仮設用旗ポール」をご覧ください。
旗ポールに関する相談はサンポールへ
このように、サンポールでは旗ポールの専門メーカーとして数多くの製品を取り扱っています。
何かお困りごとがありましたらお気軽にお問い合わせください。